「“人生を楽しむ”をあきらめない─呼吸器をつけた母が参加した結婚式」

はじめに:両親に見せたかった晴れ姿の日
この日の結婚式は、娘さんが「ご両親のために」という想いを込めて準備されたものでした。
詳しい経緯までは伺っていませんが、式の進行や雰囲気からは、ご家族への感謝を大切にした温かな時間であることが伝わってきました。
お母様は人工呼吸器を装着されており、体調面での不安もありましたが、事前の打ち合わせでは「着物を着たい」とのご希望がありました。
当日はその願いを叶えるため、私たち福祉タクシー笑-SHOW-が看護師2名で付き添い、万全の体制でサポートを行いました。
式当日は6:45にお迎えし、7:30には式場へ到着。
着替えや移動のサポートを行いながら、15:30まで寄り添わせていただきました。
事前に、病院と打ち合わせを行い、以下の点を確認しました。
・外出時の体調や注意点の確認
・必要な医療機器や吸引物品の準備
式当日までに式場の下見も行い、安全面・動線・介助スペースを確認しました。

「娘さんからお母様へ。感謝の気持ちを込めたサプライズプレゼント。」
式の中では、娘さんからお母様へのサプライズプレゼントもありました。
手渡されたその瞬間、お母様の表情がふっと和らぎ、
そこに流れる時間は言葉にできないほどの優しさに満ちていました。
私たちも胸が熱くなり、
「この瞬間のために今日という日があったのだ」と心の底から感じました。

「お母様が着物に着替えての家族写真」
披露宴の終盤、お母様は「着物を着たい」という事前のご希望どおり、
ワンピースから美しい着物に着替えられました。
ご家族と並んで写真を撮るその姿は、とても誇らしく、
“この一日が家族全員にとってかけがえのない思い出になった”と実感しました。
当日の対応内容
当日は、以下の医療的ケアと生活支援を行いました。
- 人工呼吸器対応(電源・回路チェック、搬送時の安全確認)
- 気管内吸引(適宜実施、1時間あたり約2回)
- 酸素投与(終盤に2L投与)
- トイレ介助
- ワンピースと着物への更衣介助
また、食事時や式進行中の体調観察も継続し、呼吸状態・SpO₂・呼吸回数を細かく確認しました。
食事後に呼吸回数が上昇する場面もありましたが、酸素吸入を行うことで安定を保てました。
医療的ケアが必要な方でも、安心して参加できるように
お母様は人工呼吸器を装着されており、吸引や酸素投与が必要な状態でした。
それでも、最後まで式に参加することができました。
万が一に備えて、人工呼吸器関連の装備は事前に病院から借用し、トラブル時に即対応できる体制を整えていました。
また、当日は着替えのサポートを行い、ワンピース姿から着物姿へ。
娘さんやご家族と写真を撮るその時間は、まさに思い出に花を添えるひとときでした。
新郎の父の手紙に、胸が熱くなった瞬間
式の最後、新郎のお父様が手紙でこう語られました。
「新婦のお母さんが体調を崩していたと聞いていましたが、今日会えて本当に嬉しかったです。」
その言葉に、私たち夫婦も同行しているにもかかわらず目が真っ赤に!
「この日を迎えられて本当によかった」
「お母様を連れて来れてよかった」
そう思えたのは、送迎の枠を超えて、人の想いに寄り添う仕事ができたからです。
“呼吸器があっても人生を楽しめる”というメッセージ

「家族で過ごす食事の時間。お母様も笑顔で参加。」
式の中では、お母様も食事を楽しまれていました。
呼吸器をつけていても、人生を楽しむことはできる。
その姿を見て、改めてそう感じました。
私たちは事前に病院や家族の方と情報共有を行い、どのような食事が安全に口にできるかを確認していました。
一人ひとりの人生に寄り添うということ
人はいつ、どんな形で体調が変わるか分かりません。
だからこそ「今」という時間を大切にしたい。
その人の“人生の1ページ”を支えることができるのは、福祉タクシーだからこそできる仕事です。
この経験を通して、私たちは改めて「ただ運ぶ」だけでなく、
“想いをつなぐ存在”でありたいと強く感じました。
最後に
翌日、病院に状態確認のための連絡を入れると、「状態は落ち着いており変わりありませんよ」とのことでした。
私たちにとって、心から安心できる知らせでした。
福祉タクシー笑-SHOW-は、これからも「大切な人に会いたい」「もう一度あの場所へ行きたい」という想いを叶え続けていきます。

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